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フィリピン 火山灰をレンガの材料に活用、被災から復興へとつながる取り組み

世界各国のSDGs事例や、技術・政策・ビジネスモデルなどをお届けする「世界のSDGs・ニュースヘッドライン」の中から、より興味深いトピックをひとつ選び、掘り下げてご紹介するこのコーナー。

今回は、フィリピンより「火山灰をレンガの材料に活用、被災から復興へとつながる取り組み」について詳しくご紹介していきます。

火山灰を利用した「エコブリック」を開発

今年1月、フィリピンのルソン島西側にあるタール火山が噴火。噴煙は高さ14,000mに達し、周辺地域の住民は厚さ数センチほどに降り積もった火山灰を除去する作業に追われた。

通常、集められた火山灰は廃棄物として処理されるが、今回最も被害が大きかった地域のひとつであるラグナ州ビニャン市では、この火山灰を活用してレンガを作るという試みを実施し、注目を集めている。

ビニャン市には、市が所有するごみ回収施設(MRF)があり、2017年からプラスチックごみを原料とした「エコブリック」を生産している。エコブリックは土を焼成して作る従来のレンガとは異なり、再生資源を主原料としていること、また「焼き」の工程がなくCO2を排出しないことから、環境にかかる負荷が低いという。

市はこのMRFで、原料に火山灰を加えた新しいタイプのエコブリックの開発に着手。実験を重ねた結果、火山灰40%、粉砕したプラスチック30%、砂20%、セメント10%という配合を導き出し、軽量かつ強度に優れたレンガの開発に成功した。

廃棄物が良質なレンガに生まれ変わる

ビニャン市環境天然資源局局長のロデリオ・リー氏によると、この新しいエコブリック(火山レンガ)は、現地で市販されている通常のレンガに比べて販売価格が1/4程度と安価であるうえ、強度も高い。加えて火山灰とプラスチックごみの両方を原料として利用できるとあれば、一挙両得の施策だと言えるだろう。

現在施設では、1日あたり5,000個の火山レンガを生産できる態勢を整えており、既に複数の企業が購入に意欲的な姿勢を見せているという。ビニャン市のアルマン・ディマギラ市長は、地域住民に対し、集めた火山灰を施設へ持ち込むよう呼び掛けるとともに、火山レンガの売り上げによる収益は、被災地域の復興支援に充てる予定だと語っている。

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SciDev.Net(Asia & Pacific)(著者:Lotuslei Dimagiba)

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