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気候変動×スポーツ プロスポーツが脱炭素化に取り組む意義とは

記事提供:環境ビジネス

IOCが2030年以降の夏季・冬季オリンピック大会で、二酸化炭素排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする取り組みを義務づけることを発表するなど、スポーツ分野においても気候変動対策が進みつつある。日本国内でも、Jリーグ加盟クラブが脱炭素化への取り組みをスタートするなど、気候変動対策の動きが見られるようになってきた。

脱炭素化に挑戦するプロサッカーチーム

スポーツ界と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局は2018年12月、パリ協定の目標達成に向けた意識と行動の強化を図る協調的な取り組みにスポーツ団体やチーム、選手、ファンを結集するため「スポーツを通じた気候行動枠組み」を立ち上げた。スポーツ分野でも国際的に、一般企業と同様、環境問題への貢献が求められている。

Jリーグ加盟のプロサッカークラブ「ヴァンフォーレ甲府」を運営するヴァンフォーレ山梨スポーツクラブ(山梨県甲府市)は、9月7日、環境省の「中小企業向けSBT・再エネ100%目標設定支援事業」に選出された。

この事業は、中小企業におけるSBT水準に整合する中長期の削減目標設定の支援、再エネ100%目標の設定支援を行うもの。支援対象は、気候変動対策に意欲がある中小企業・法人、自社のステークホルダーに対して排出量の情報提供をしたい中小企業・法人。

中小企業等がSBT・再エネ100%目標設定に取り組むことで、ステークホルダーやRE100に参加する大企業に環境対策をアピールできるほか、取引先のサプライチェーン排出削減に貢献できることなどの効果があるという。

小泉進次郎環境大臣は9月8日の会見で「スポーツ×気候変動」の切り口から、ヴァンフォーレ甲府の同事業選定について紹介し「一見すると距離のある気候変動とスポーツというテーマだが、うまく連携させることでウィン・ウィンの効果を生み出すことができる」と説明。

スポーツチームは地域と密接な関係があり、熱心なサポーター、ファンも存在していることから「チームや選手が中心となって気候変動対策に取り組むことで、地域全体やサポーター、ファンの行動変容にもつながると考えている」として「スポーツチームが地域やサポーター、ファンと一緒になって脱炭素化を先導することによるインパクトは非常に大きいと考えている」と述べた。

現状で、日本のスポーツチームがSBT目標を設定している例はない。小泉大臣は「気候変動×スポーツの取り組みの第一歩と位置付けて、環境省としても、その成果を活用しつつ、情報発信などを行って、他のサッカーチーム、そして他のスポーツの競技にも取組を広げていきたい」と話した。

排出量算定、リユース容器の導入なども

ヴァンフォーレ甲府は4月、SDGsの一環として、東京都市大学伊坪徳宏研究室、グリーンスポーツアライアンスと「スポーツ団体を対象とした環境評価の枠組み構築と活用」の共同研究を行った。2018年2月から2019年1月の1年間で、クラブが排出したCO2量を算定する取り組みを実施。総排出量が2,230tとなったことを明らかにした。

また、2004年からは「エコスタジアムプロジェクト」をスタート。試合中に廃棄される使い捨て容器を削減するためリユース容器を導入した(現在、コロナウィルス感染拡大防止のためリユース食器の使用は行っていない)。容器の回収率を上げるため、飲食売店は「デポジット方式」で販売を行い、NPOと連携することでドリンク・フード等計11種類の食器のリユース化を可能にした。なお、この取り組みは、9月14日、環境省と日本財団が共同で実施する「海ごみゼロアワード2020」の最優秀賞に選定された。

記事の公開期限:2020年11月08日

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