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2018年度版「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」閣議決定 

記事提供:環境ビジネス

政府は6月5日、2018年版「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を閣議決定し、国会に提出した。

本白書のテーマは、「地域循環共生圏の創出による持続可能な地域づくり」。第五次環境基本計画(2018年4月閣議決定)で提唱した「地域循環共生圏」の創造に向けて、地域資源を持続的に活用することで地域に活力をもたらす取組みや、ライフスタイルの転換に向けた取組みなどについて、日本ですでに始まっている先進的な取組み事例などを紹介している。

全体は、第1部・総合的な施策などに関する報告、第2部・各分野における2017年度の施策などに関する報告で構成される。

パラダイムシフトとなるのは「SDGs」「脱炭素化・適応」

この白書では、持続可能な社会に向けたパラダイムシフトとして2つ挙げる。ひとつは、2015年の国連総会で、2030年の世界目標として採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」だ。SDGs達成には、環境・経済・社会の統合的向上が求められる。日本でも2017年に、報告性や取組みなどを盛り込んだ「SDGsアクションプラン2018」を決定。自治体・企業でも、SDGsの取組みが進展している。

持続可能な開発目標の採択

もうひとつのパラダイムシフトとしてあげるのは、パリ協定を踏まえた世界の脱炭素化と、異常気象など気候変動の影響への適応だ。多くの先進国・途上国が、自動車政策やエネルギー政策など脱炭素社会に向けた取組みを実施し、金融分野ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資が拡大している。政府は2018年2月に、気候変動への適応を推進するための法案を閣議決定している。

我が国における気候変動の影響

地域エネルギーで地域経済を循環

環境省の試算によると、2030年温室効果ガス26%削減に必要な再エネ・省エネ投資による全国の経済効果は約3.4兆円。地域エネルギーの活用により、エネルギー代金の支払先を海外から国内、都市から地方へシフトを図ることで、地域経済活性化を目指している。

地域の低炭素化による地域活性化の取組みでは、福岡県みやま市で、自治体主導の地域新電力、みやまスマートエネルギーを設立し、家庭向けの電力小売サービスを提供し、再エネで地元雇用40名を創出した事例や、東邦ガス(愛知県名古屋市)による、名古屋市のスマートタウンで、ガスコージェネレーションを中心に、運河水熱利用などを組み合わせ、中部圏初のCEMS(コミュニティー・エネルギー・マネジメント・システム)を構築した事例を取り上げている。

また、年間のエネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」や、快適な室内環境と年間のエネルギー消費量がネットでゼロ以下を同時に実現する住宅「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の取組みも紹介。

都市と農山漁村の交流・連携では、東京都世田谷区と群馬県川場村が、2016年に発電事業に関する連携・協力協定を締結し、川場村の木質バイオマス発電の電力を世田谷区民が購入している取組みを取り上げている。

このほか、「ライフスタイル」をテーマに、「モノは所有から共有へ(シェアリング・エコノミー)」「食品ロスの削減」、宅配便の再配達削減など「環境保全にも資する働き方」などの取組みを紹介している。

環境問題の全体像を国民に分かりやすく提示

環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書の3つの白書は、それぞれ、環境基本法、循環型社会形成推進基本法、生物多様性基本法に基づく国会への年次報告書である。環境問題の全体像を国民に分かりやすく示し、参加協力を促すため、2009年版から3つの白書を合冊している。

白書の内容を広く国民に普及させることなどを目的に、本白書に関するテーマやねらいなどを環境省職員が説明する「白書を読む会」を開催する(入場無料)。開催日時・場所などについては、別途案内する。

白書のデータはダウンロードできる

本白書は、PDFデータを環境省ウェブサイトに掲載している。なお、HTML形式のデータについては、6月下旬以降、同ウェブサイトに掲載する予定。また、市販版は政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店などで購入することができる(1部2,380円、6月中下旬発売予定)。また、日本の環境行政を国際社会に発信するため、本白書の英語版小冊子を作成し、秋頃をめどに、環境省ウェブサイトにも掲載する予定。

なお、本白書の印刷工程の電力使用に伴い発生するCO2については、環境省の「オフセット・クレジット制度(J-VER制度)」に基づき発行された東日本大震災における被災地のクレジットを購入し、オフセットしている。

参考:環境省 - 平成30年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の閣議決定について

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