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2019年G20・W20日本開催を見据え広がる、女性活躍のための活動(後編)

2018年12月6日、超党派による女性活躍を国際的に推進する議員連盟、UN Women日本事務所、国連ウィメン日本協会、SDGsジャパン ジェンダーユニット、2019 G20サミット市民社会プラットフォームは、2019年日本で開催されるG20やW20を見据え、ジェンダー平等に向けたイベント『G20、女性活躍、そしてSDGsゴール5へ』を共催した。今回はパネルディスカッション後半に行われた質疑応答の模様をお伝えする。(前半編はこちら

女性活躍の好例、提言にみる課題とは?

まずは、本日のファシリテーターを務めた石川雅恵氏(UN Women日本事務所所長)から、大和証券グループのSDGsへの取り組みに触れ、実際にやってみて難しかった点、手応えを感じた(グッドプラクティス)事例についての質問が飛んだ。

中田誠司氏(大和証券グループ本社社長)は、「女性活躍について、大和証券グループの取り組みは、ほかの企業と比べても進んでいると感じています。それでも開始時期が2015年ということで、まだまだ圧倒的にロールモデルが足りていません。今後は見本となるロールモデルの数を増やしていくというのが課題です」と答えた。また、「当社グループでは19時前退社を徹底しています。これにより、保育園のお迎え時間を心配することがなく、また、スーパーマーケットの閉店時間を気にすることなく利用できるという環境を実現しました」と具体的な働き方改革の一例も紹介し、石川氏からは、個人的な意見として国連よりもワーク・ライフ・バランスが整っているとのコメントが出た。

「日本は世界第3位の経済規模を誇る先進国であるのに、なぜ女性活躍が進まないのか」という質問に対しては、目黒依子氏(上智大学名誉教授/W20日本運営委員会共同代表)は「答えの候補としてはいくつも挙げられますが、『これだ』という結論にはいまだ達していません」と解決の道は容易ではないと語った。そのなかで、課題を克服する基本的な考え方として、「男性だから、女性だから、こうあるべきという固定概念を、国や組織、また社会が捨てることが大切」と、国全体による価値観、意識の変化を求めた。

羽生祥子氏(日経クロスウーマン編集長/日経ARIA編集長/日経ecomom編集長/日経DUAL創刊編集長)は、女性活躍を推進していく上でのメディアの役割について聞かれ、「いまの新聞では、3種類の人間しか紙面に登場しません。1人目は女性アナウンサー、2人目はスポーツ選手、そして3人目は外国人です。海外で新聞を読んでいると、海外の友人には『あなたの国には女性はいないのか』と揶揄されることもあります。こうした歪みを是正していかなくてはなりません」と訴えた。

また、政治に関する質問では、男女共同参画基本法制定後の政治的な機運の高まりについて、加藤勝信氏(衆議院議員/自由民主党総務会長)は、「政治は多様な民意を反映する場ですから、そういう意味でも、政治分野における男女共同参画をしっかりと推進していくことが重要です」と女性活躍の取り組みを、国を挙げて盛り上げていくことをアピールした。

2019年、G20やW20日本開催に向けて

ファシリテーターからの質問に続いては、会場との質疑応答が行われた。「正規・非正規で働く人、シングルマザー、外国人など、女性といってもさまざまな生き方を選ぶ人がいるなかで、こうした多様な声をどのように反映させていくのか」「保育園への送り迎えやスーパーマーケットでの買い物を応援する行為が、女性のためになるという考え方自体に、すでにジェンダー・バイアスがかかっているのではないか」などの質問や意見も飛び交い、活発な議論の場となった。

もうすぐ2018年が終わろうとしている。G20やW20日本開催はもうすぐだ。女性活躍、ゴール5達成に向けた活動が加速していくことを期待したい。

連載

  1. 2019年G20・W20日本開催を見据え広がる、女性活躍のための活動(前編)
  2. 2019年G20・W20日本開催を見据え広がる、女性活躍のための活動(後編)

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