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TICAD7開催、「横浜宣言2019」を採択

29日、テーマ別会合「気候変動・防災」終了後に記者団からの質問に応えるアントニオ・グテーレス国連事務総長

8月28日(水)〜30日(金)の3日間にわたり、横浜市のパシフィコ横浜にて第7回 アフリカ開発会議(TICAD7)が開催された。
TICADは1993年から日本政府が主導してアフリカ諸国とともに開催している国際会議。7回目となる今回はSDGsも念頭に、アフリカにおける諸課題に対し、政府、国際機関、民間企業、市民など、多様なセクターが参加してあるべき姿、とるべき行動を議論する場となった。

気候変動の最前線に立たされるアフリカに公民両面からの投資を

2日目の29日に開催されたテーマ別会合「気候変動・防災」にはアントニオ・グテーレス国連事務総長も出席、会合終了後に記者団の取材に応じた。

グテーレス事務総長は、気候変動はアフリカのみならず、世界全体が「今直面している危機」であると強調。大きな被害をもたらす気象災害や干ばつ、また紛争やテロといった脅威の背景にも気候変動の加速があるとした。

そのうえで、「実質的に気候変動に影響を与えていないアフリカは、道徳的権限を持っている。アフリカが排出する大気汚染物質の量は世界の他の地域に比べてきわめて少ないにもかかわらず、気候変動が引き起こす問題の最前線に立たされている」と指摘。人類全体が気候変動による危機に直面していることは明白であり、皆でこの傾向を食い止めなければならないと訴えた。

そして、アフリカの災害リスク軽減とレジリエンスを強化するためには、技術的、財政的な面での国際社会の支援が必要でであり、公的および民間部門からの支援が効果的に実施されることを期待するとした。

グテーレス事務総長は今回の会合について、「非常に豊かな議論であり、アフリカの声は非常に明確になった」と述べるとともに、気候変動の速度に押されつつある現状を逆転させ、アフリカが直面しているリスクの軽減、社会・コミュニティ・経済を適応させ、気候変動による最悪の影響を回避するため、アフリカへの支援に投資しなければならない」とも語った。

また、記者団からアフリカにおけるイノベーションの次世代への影響を問われると「技術革新は不可欠。現在アフリカでは職に就けない若者が多い一方で、人口増加率は伸び続けている。雇用を創出しなければ、彼らの生活は非常に厳しいものになり、国は貧困に陥る。これは安全上の問題の発生、過激主義の助長にもつながってしまう」とし、失業問題へ対応するためには技術開発が不可欠なことはもとより、新しい技術の導入、デジタル時代への理解を進め、アフリカ諸国のインフラ整備を行うと同時に、教育分野と生涯学習への投資に力を入れていくことが必要」と答えた。

経済・社会・平和と安定を柱に 〜「横浜宣言2019」を採択

最終日の30日には「横浜宣言2019」が採択された。
本宣言は、“アフリカに躍進を!ひと、技術、イノベーションで。”をテーマに、アフリカの包摂的で持続可能な成長を達成するための3つの柱として①経済:イノベーションと民間セクターの関与を通じた経済構造転換の促進及びビジネス環境の改善/②社会:持続可能で強靭な社会の深化/③平和と安定:平和と安定の強化、を掲げた。
また、「横浜宣言2019」の付属文書として「横浜行動計画2019」も発表され、それぞれの重点分野について、起こすべき行動、主要なアクターと取組/イニシアティブ、期待される成果が示された。

次回、TICAD8は2022年に開催される。

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