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金融の力を使って環境問題を経済社会の内に取り込む

記事提供:環境ビジネス

一般社団法人 環境金融研究機構(通称:RIEF)は、環境金融という考えの啓蒙・普及と発展・展開、最新の世界の環境金融関連の情報発信を行う団体だ。団体の代表理事は、「環境金融」という概念を提唱した藤井良広氏が務める。藤井氏は、長く経済記者を務めた人物で、主に金融に関連する取材を重ねていた。そうした経験のなかで、環境と金融を融合させた環境金融という考えを見つけ提唱することになる。経済紙を退任した後は上智大学で教鞭をとるようになり、あわせて2014年にRIEFを設立して、いまに至るという。

「環境金融とは、環境と金融の並列を意味するものではありません。環境と金融が融合した概念です。それは金融機関や金融市場が持つ『価格付け機能』を活用することで、環境のリスク・コストを経済社会の内に取り込むことを意味します」と藤井氏は説明する。

企業にとって環境問題は、リスクとなり対策にコストがかかるものだ。しかし、一般的には、そうした環境問題は目に見えないため、いったいどれほどのリスク・コストが必要なのかが判断しにくい。一方で金融機関には、目に見えないものの価値を定める『価格付け機能』が備わっている。変動する為替や株価などは、その金融の価格付け機能の表れそのものといえるだろう。そうした金融の機能を利用しようというのが環境金融の考えであり、それが普及することで、企業による環境対策も進み、投資も積極的に行われるようになるというわけだ。

現実としては、ESG投資やグリーンファイナンス、グリーンボンドなどが話題を集めるようになっており、環境金融という概念の普及に先行する形で、現実のビジネスが進んでいる。環境金融は、時代の流れにマッチした考えといえるだろう。

そうしたなかでRIEFは、環境金融に関する情報発信をホームページから行っている。団体のホームページは、ニュースサイトのような体裁になっており、毎日、数件の新しい記事が掲載されている。海外のトピックの紹介も多い。それらをチェックすることで環境金融関係のトレンドを知ることができるのだ。記事の作成は、記者生活の長かった藤井氏が自ら行っているという。

また、団体の会員向けに環境金融に関する勉強会を、ほぼ隔月で実施。より環境金融を深く理解したい人への対応も万端だ。

さらに団体は、年に一度、「サスティナブルファイナンス大賞」を開催。日本のグリーン&サスティナブルファイナンス市場の発展に貢献した金融機関並びに企業を対象にしたもので、毎年4~9社ほどが表彰されているという。

環境問題を金融の力で目に見えるものにするという環境金融。日本のグリーン&サスティナブルファイナンス市場の普及・発展に伴い、これから注目度の高まる概念だろう。

記事の公開期限:2019年10月11日

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