Sustainable development goals

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ドイツ 国連がドイツ航空宇宙センターと提携、宇宙技術を用いたSDGs達成への取り組みをスタート

世界各国のSDGs事例や、技術・政策・ビジネスモデルなどをお届けする「世界のSDGs・ニュースヘッドライン」の中から、より興味深いトピックをひとつ選び、掘り下げてご紹介するこのコーナー。

今回は、国連開発計画とドイツ航空宇宙センターが連携して実施する、「宇宙技術を用いたSDGs達成への取り組み」について、詳しくご紹介していきます。

ドイツ最大の宇宙研究機関と連携

国連の開発ネットワークを先導する機関である国連開発計画(UNDP)が、SDGs達成に向けて、ドイツ航空宇宙センター(DLR)とのパートナーシップを発表した。

DLRはドイツの航空宇宙技術を担う政府機関であり、研究結果を気象データ・災害予測・土地利用といった、各専門分野へと提供する。人工衛星から送信される高精度画像を解析することによって、グローバルレベルでの変化を把握できるようになるため、地球全体が抱える様々な問題に対処しやすくなるという。

2019年12月、ニューヨーク国連本部で行われたUNDPとDLRの協定締結式に出席したDLR代表執行役のPascale Ehrenfreund氏は、「近年の科学関連技術の急速な発展は、SDGs達成に大きく寄与するだろう」と語り、ビッグデータ活用への期待感を示した。

SDGs達成へ向けたビッグデータの活用例

DLRがこれまでに収集したSDGsに関する情報は700項目以上にわたるが、中でも注目を集めているプロジェクトがある。

ひとつは、都市部におけるフットプリントの概要を示し、都市と農村の持続可能な開発戦略を構築するための要素となる「グローバル・アーバン・フットプリント」。18万枚もの衛星画像を解析し、居住域を「黒」、地表面を「白」、水を「グレー」で表すことで、地域の詳細な人口分布や居住パターンなどの分析を可能にする。

そしてもう1つが、水位の変化を毎日記録する「グローバル・ウォーター・パック」。世界各国の河川や湖における、時間の経過に伴う水量を測定し、気候変動や開発の影響による水域の変化を可視化するシステムだ。これらのデータを分析し、将来的な水資源利用の変動を予測したり、干ばつや洪水などの災害に対するリスクアセスメントに活用するのだという。

必要なのは、技術力構築と人材育成

現在国連開発計画では、2019年にモザンビークを中心としたアフリカ南部に「過去20年で最悪」と言われる被害をもたらしたサイクロン「イダイ」の復興支援を行っているが、その活動にもDLRが提供した被災前後の衛星写真が役立っている。

このように衛星データをSDGs達成のソリューションとして利用するには、人材育成と技術的能力の構築がカギとなる。DLRは今後数年の間に、各国の政府関係者や開発分野の技術者を招いて研修を行い、衛星から送信される膨大な情報を選定・活用する方法を共有する考えだ。

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SciDev.Net(Global)(著者:Michelle Z. Donahue)

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