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コンゴ 需要急増のリチウムイオン電池、脱炭素化の陰に潜む児童労働

世界各国のSDGs事例や、技術・政策・ビジネスモデルなどをお届けする「世界のSDGs・ニュースヘッドライン」の中から、より興味深いトピックをひとつ選び、掘り下げてご紹介するこのコーナー。

今回は、アフリカのコンゴ民主共和国より「需要急増のリチウムイオン電池、脱炭素化の陰に潜む児童労働」について詳しくご紹介していきます。

脱化石燃料への基盤として脚光を浴びるリチウムイオン電池

多くの国や地域が、温室効果ガス排出量を2050年までに正味ゼロにするという目標を掲げるなか、電気自動車の開発・普及が急速に進んでいる。EUと北米では、今後10年間で販売される車のおよそ3割が電気自動車にシフトすると予測されており、年間数百万トンにおよぶ温室効果ガスの削減に貢献するとの期待も強い。

電気自動車の要であるリチウムイオンバッテリーには、ニッケルやコバルトなどのレアメタルが使われている。バッテリーの需要の伸びとともにレアメタルに対するニーズも急増しており、各社が安定的な確保に向けて奔走しているが、コバルトの主要な産地として知られ、世界の産出量の6割を占めるコンゴ民主共和国では、鉱山での過酷な労働環境が問題となっている。

「血のダイヤモンド」

世界最大の国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルによると、コンゴのコバルト鉱山では、多くの子どもを含む労働者たちが、落盤や窒息事故が相次ぐ危険な状況下での採掘に従事している。しかし現場では適切な安全対策がほとんどなされておらず、また長時間労働の末に支払われる賃金はごくわずかでしかない。国の主要な収入源でありながら、労働者の命の危険と引き換えに得られるコバルトは、別名「血のダイヤモンド」と呼ばれている。

コンゴのケースのように、クリーンエネルギー実現の陰に潜む人権侵害と児童労働は、国家機能が脆弱な国において見られる傾向があり、暴力や紛争の引き金にもなるという。真にクリーンで公正なエネルギーを実現するためには、労働者の人権保護・社会福祉の充実・コミュニティの発展といった取り組みを進めていく必要がある。

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Corporate Knights(著者:ADRIA VASIL)

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