サーキュラーエコノミーの実践と深化を語り合う
2020年11月6日(金)、一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパンはオンラインイベント「【最新事例から学ぶ】国内サーキュラーエコノミーの最前線」を開催した。
イベントの冒頭に講演を行った一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパン 代表理事の中石和良氏
「サーキュラーエコノミー3原則」とは
はじめに、一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパン 代表理事の中石和良氏が「サーキュラー・エコノミーとは何か」と題して講演。
現在、世界的に新たな資源を利用し使用後には廃棄するリニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへの転換が目指されているが、日本で従来から取り組まれてきたリサイクルと混同されることも多い。
中石氏は、サーキュラーエコノミーは製品・サービスの設計段階から「廃棄物・汚染を出さない」ことを目指していると説明。「廃棄物をどうするか」ではなく、「廃棄物を出さないためにどうするか」という違いを説明した。
また、サーキュラーエコノミー3原則①廃棄物と汚染を生み出さないデザイン(設計)を行う、②製品と原材料を使い続ける、③自然システムを再生する3つめの「自然システムの再生」を紹介。
少なくとも1つを実践し、ほかの2つを阻害しないことが重要だとした。
中石氏が紹介した「サーキュラーエコノミー3原則」。近年は特に3つ目の「自然システムを再生する」(Regenerate)が注目されていると語った
大小さまざまな業種からの取り組みを紹介
その後、「実践企業の事例紹介」として株式会社Mizkan Holdings 執行役員 新規事業開発担当の石垣浩司氏による「ミツカン未来ビジョン~人と社会と地球の健康」、株式会社ブリヂストン グローバル経営戦略本部 サステナビリティ推進部 部長稲継明宏氏による「ブリヂストンのサーキュラーエコノミーに向けた取り組み」、株式会社グーフ 代表取締役社長CEOの岡本幸憲氏による「紙の無駄にビジネスチャンスあり -テクノロジーで紙の新たな価値を創造する-」など、業種も規模もさまざまな企業からサーキュラーエコノミーに対する取り組みが紹介された。
最後に、「サーキュラーエコノミーを広めていくために」をテーマに、「サーキュラーエコノミー×ワーケーション -GREEN WORK HAKUBA事例紹介-」と題して株式会社新東通信 ブランドコンサルタントの山下史哲氏が講演した。
山下氏は広告代理店としてサーキュラーエコノミーを普及、事業創出を支援する立場。取り組みの第一弾である長野県白馬村でのワーケーションとサーキュラーエコノミーのプロジェクトを紹介した。
メーカーやサービス提供などさまざまな視点からの多彩な取り組みが紹介された本イベント。欧州や中国・韓国などでもサーキュラーエコノミーへの転換が進むなか、日本においても転換の加速が進むことが期待される。
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