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バングラデシュ 水道の蛇口にタブレット型塩素のディスペンサーを設置、子どもを感染症から守る取り組み

世界各国のSDGs事例や、技術・政策・ビジネスモデルなどをお届けする「世界のSDGs・ニュースヘッドライン」の中から、より興味深いトピックをひとつ選び、掘り下げてご紹介するこのコーナー。

今回はアメリカ・タフツ大学の研究チームがバングラデシュで実施した、「蛇口にタブレット型塩素のディスペンサーを設置、子どもを感染症から守る取り組み」について、詳しくご紹介していきます。

子どもの健康を脅かす深刻な水道汚染

世界保健機関(WHO)が発表した報告書によると、途上国では下痢性疾患で命を落とす子どもの数は年間52万人にのぼり、5歳未満の乳幼児の死因第2位となっている。その要因のひとつとして挙げられているのが不衛生な飲料水であり、バングラデシュの首都ダッカにおいても、5割以上の水道水において下痢の原因となる大腸菌が検出された。

汚染水の浄化には塩素消毒が有効だが、その際に問題となるのが異味異臭、いわゆる「カルキ臭さ」だという。「衛生面」と「味」という2つの課題を改善すべく、米タフツ大学のエイミー・ピカリング助教は、ダッカ市内および郊外の町トンギの低所得コミュニティにおいて、公共の水道100か所の蛇口にタブレット型塩素を投入する装置を設置。この水道水を利用する920世帯、1,036人の子ども(5歳未満)の健康状態を調査するという研究的取り組みを行った。

「安全性」「使いやすさ」「飲みやすさ」を実現

本装置の特徴は、利用者による作業やメンテナンスの必要がなく、またローコストで導入できるという点。従来の浄水方法は、各家庭で飲料水に塩素を投入するというものであるが、手間がかかるうえにカルキ臭が強く、不満の声が大きかった。一方今回の施策では、蛇口をひねるだけで飲用に適したレベルまで除菌された水が出てくる手軽さに加え、タブレットは徐々に水中へ溶け出していくため、残留塩素の少ない、より飲みやすい水質へと改善することに成功した。

安全性に関しては、特定の病原体に関するデータはないものの、研究対象となった子どものいる家庭において、抗生物質の使用量が全体的に減少したという報告があがっており、安全な飲料水の提供により健康状態が改善したことが推察される。

ピカリング助教は、「この研究が途上国における塩素処理技術の促進剤となり、『すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する』という持続可能な開発目標6.1に貢献できるよう願っている」と語った。

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SciDev.Net(Global)(著者:Neena Bhandari)

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